reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・カフェの霊

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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高校の頃、地元のターミナル駅の前に、カフェがあった。
漫画喫茶みたいで漫画が沢山あったのだが、おいしい食事も出していて、夜はスナックとしても営業していた。
学校帰りに雨が降った時など、友達とお茶しに寄ることが多かった。
そこには、いつも初老の男性の霊がいた。
二人掛けのソファーで、背もたれに左右の手を大きく広げてどっかと座っていた。
ある雨の日に、A子たちと3人で店に入ると、ほぼ満席だった。
馴染みのママに、「今日は満席だね。」と言って出ようとすると、「大丈夫、まだ空いてると。」と言われた。
開いてる席は、いつもの老人の霊が座っている席だけで、私には全部満席に見えたのだ。
ママがその席を指さして、「座れるよ。」と言うので、私は嫌だったが、その席に着くことにした。
老人の向かいに座るとき、「すみません、相席させていただきます。」と言うと、ふんぞり返っていた体を前に倒し、両手であご肘をついて、「お前にはわしが見えるんか?」とすごんできた。
私は内心「こいつはダメな霊だ。」と思った。
A子にその老人の席に座らせたのだが、私の様子を見て、「何かいるの?」と不安そうな声で聞いてきた。
小声で「いる。見た目、夏目漱石みたいな紳士だけど、すごんでくるのでダメだと思う。」と言った。
A子が「じゃあ、帰ろう。」と言うので、店のママに「ごめん、用事を思い出したから、帰るね。」と言って出入口に向かった。
すると、ママが寄ってきて小声で「見えたの?」と言ってきた。私がわざと「何の話?」とはぐらかすと、「違うの、たまにね、夜のお客さんが、あそこの紳士はカウンターに来ないの?」と聞いてくるそうだ。
「何か見えたんでしょ?誰が座ってるの?」と質問攻めになった。
改めて見てみると、さっきまで紳士に見えたのだが、今は顔が斜めに潰れたようになっていて、如何にもおどろおどろしい。
詳しく聞くと、この店は居抜きで借りたが、そもそもはこのビルの二階に入っている建設会社のエントランスとして使われていた場所だそうだ。
その時の管理職の人が、沢山の借金を抱えてしまい、ビルの屋上から飛び降りたそうだ。その人は、エントランスのソファーで良くコーヒーを飲んでいたそうだ。
この顔の潰れ方は、飛び降りたせいだったんだと思った。
話は聞いたが、ママには「わからない。見えない。」と断って、店を出た。
それからしばらくすると、駅前は再開発が始まり、そのビルそのものが無くなって更地になった。
最近はきれいな駅前広場になっているが、たまにその老人を見かける。店もソファーもないのに、やっぱりふんぞり返って座っている姿勢が見えるのだ。

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