reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・廃線の踏切

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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高校の頃、お盆で田舎に帰った時の話。
おじいちゃんちのすぐ近くに、廃線になった古い踏切があった。その横にもうだれも住んでいないであろう古い家があった。そこは昔駄菓子屋さんだった。
久しぶりに会った幼馴染のM子ちゃんとそこを通りかかると、廃線になったはずの踏切が、カンカンカンと鳴り始めた。
なんで?と思った。M子ちゃんは怖がって、「行こうよ。」と言った。が、私は電車が通るのか気になったので、そこで見ていた。
すると、見えはしないが「ゴーー」と電車が通る音がした。M子ちゃんにも聞こえていた。そして電車が巻き起こす風も感じた。
カンカンカンが止まったので、踏切を渡ろうとすると駄菓子屋さんの前に緑色の制服を着た男性がこっちを向いて立っていた。
M子ちゃんは「あ、幽霊だ。」と言ったが、そのまま歩いた。
家に帰り、その話をすると、「あー、あそこの一人息子は戦争に行って亡くなったもんね。」とおじいさんが言った。
「息子だったんだ。緑色で軍服みたいだった。」と私が言った。
おじいさんは「お盆だからその家のおばあさんの法事があるはずだから、行って見よう。」と言った。
なので、「私も行きたい。」と言ってM子ちゃんと一緒に行く約束もした。
法事の日におばあさんの家に行き、お線香をあげると、横にその息子の写真もあった。
「この人だれですか?」と聞いてみると、やはり「おばあちゃんの一人息子だよ。」とのことだった。
「戦争に行かれたんですか?」「そう、戦争で亡くなった。」と言われた。
「へー」と言うと、「なんで?」と聞かれたので、M子ちゃんが「おばあちゃんがしていた駄菓子屋さんの前で、この男の人を見たんですよ。」と答えた。
「はー、じゃあ、お盆で息子が帰ってきたのかな。」「そうかもしれないですね。」と言った。
家に帰りM子ちゃんと話をしていたが、夕方になり薄暗くなってきたて、もう一度あの踏切に行ってみようと言うことになった。
近くまで行くと踏切の横の駄菓子屋さんに、明かりが灯っていた。「行って見る?」とM子ちゃんが言うのでその家まで行って見ると、たくさんの駄菓子が並べてあり、おばあさんがそろばんを持って台に座り店番をしていた。
M子ちゃんと「おばあさんが居るね。」と言ったがその姿は もわっ としていて霞がかっていた。
すると、カンカンカンと音が鳴りだし、そちらを見ると「ゴーー」と音がした。その先にはベンチがあり、駅だと思われた場所に男の人が鞄を下げて立っていた。するとその男の人が歩いてこちらに近づき、横を通って駄菓子屋さんの入り口の引き戸を開けた。
ガラガラと音がして「ただいまー」と声をかけた。
中からおばあさんが「おかえりー、あんた、よく帰ってこれたね。」と泣きそうな声で答えていた。
「日本が・・・・・」と会話している声が聞こえたが、私はM子ちゃんと「私たち、やばいところにいるんじゃない?」と話した。
M子ちゃんと肩を並べて立っていると、二人の肩に手を掛けられ、「おい」と声が聞こえた。振り返ってみると知らない男性だった。
「なんですか?」と答えると、「何する気だー」と言われ、はっと前を見ると、崖の上に立っていた。
その男性によると、私たちが崖に向かって歩いていくので飛び降り自殺でもするのではないかと思い、声をかけたそうだ。
よく知るその崖までは、私たちの家の地区からは歩いて小一時間もかかる場所だ。そんなに歩いた覚えもないし、そもそもそんな場所には来ていないはずなのだが。
「何処から来た?」と聞かれ、「XXから来ました。」と答えると、「はあ?」と驚かれた。
「とりあえず帰れ」と言われ、その男性の車に乗せられ家まで帰った。
この男性はXX地区の駐在所のお巡りさんで、非番の日なので制服は来ていなかったが、崖から落ちて亡くなる人が多いのでひと回りしていたそうだ。
おじいさんに「何してるんだ、そんなところまで行って。」と怒られたが、私たちも駄菓子屋さんまで行っただけだとしか説明できない。
お巡りさんにも昨日見た踏切や今日の駄菓子屋さんの様子を話したが、「廃線になって何年も経つのに鳴るわけがない。駄菓子屋さんも駐車場になっていて何もない。」と言われた。
なので行って見ると確かに駐車場になっている。M子ちゃんと「もう、外出るのやめよう。」と話した。
その日の夜中、「ウーー」というサイレンの音で目が覚めた。「カンカンカン」と半鐘の音も鳴っている。
とっさに外に出なきゃと思い、玄関を勢い良く開けて外に出ると、M子ちゃんも出ていた。
すると家の中から「どこ行くんだー」と怒鳴り声が聞こえて、父親も出てきた。
「えー、サイレンと鐘が鳴ってたから」と言うとM子ちゃんも「鳴ってた、鳴ってた。」と言った。
だが、他の誰にもそれは聞こえていなかった。
田舎から帰る日、M子ちゃんに「また来年来るからね。」と言って、通り道で見ると踏切も駅のベンチも駄菓子屋さんの家も、何もなかった。
家に帰って来たが、お母さんが心配してお寺に連れて行ってくれた。
住職さんは私たちを見るなり、「あー、どうぞどうぞ、入ってください。戦争も大変でしたね。」と声をかけてきた。
だが、私たちを見ているようで、視線はその後ろにあった様な気がした。
母と二人で来たのにお茶を四つ出されて、「戦争に行かれたんですね。息子さんなんですね。」と見えない人と話しているようだった。
そして住職は数珠をじゃらじゃらとして「でもね、あなたたちはここにいるべきではないので、帰ってくださいね。」と話していた。
そこからは私たちに向かって「すごいのに憑かれていたね。この世にあまりに未練があるから、知っていた二人を見てこの世を歪ませて連れて行こうとした。あのままならあなたたち死んでいたよ。」と話してくれた。
なので、母と「もう一度駐在さんにお礼を言わないといけないね。」と話し、おじいさんに電話をした。
すると、おじいさんは「それが、大変な話がある。XX地区の駐在さんは1年ほど前にあの崖から落ちて亡くなっていて、駐在所は既に無くなっていることが分かった。」と言ってきた。
私たちは、背中がぞっとした。
おじいさんだけでなく、うちの両親も、M子ちゃんの親も、みんな見ているのに。

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