reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・先輩の妹【その2】

【つづき】心霊体験の話・先輩の妹【その1】 - reikonoburogu霊子の日記


「あのー、M子さんのお父さんですか?」と聞くと、3歳の子なのに、ぐっとこっちを見て「見えるのか?」と強く言ってきた。「最初っから気づいてる。保育園に行った時からね。しかも、M子先輩も気づいてる。」と言った。
すると「うーん」と腕を組んだ。「目的は何?」と聞くと、話し始めた。
元々M子先輩のお母さんは、ギャンブル癖があって、お腹が大きいのにパチンコ屋行ったりタバコも吸うので注意をしたそうだ。「せめて子供が生まれるまでは止めろ。」と言ったそうだが、「私は体も重いし、気晴らし位させてよ。」と言って止めなかったそうだ。そうやって喧嘩をしていて、お父さんはお母さんの借金の工面と生活費でずっと働き詰めだったそうだ。朝から夕方まで工場で仕事してその後コンビニの仕事を深夜までしていて、帰宅途中に事故で死んだらしい。「おれは、この子を抱っこしたことも無い。なのに、再婚相手には自分のギャンブル癖などをおれがしていたように話した。」自分が妊娠中に旦那がギャンブルして借金して、なので自分が出産直前まで働かされたように話したそうだ。お父さんは以前はM子先輩の守護霊として居たそうだが、それを聞いてカチンと来たそうだ。新しい旦那は、何も知らないので、「大変だったね。おれはそんなことはさせないから。」と言ったのも嫌だったが、妹が「そんなことするやつ、死んで当たり前だね。」と言ったのが頭にきて殺してやろうと思ったそうだ。
そこで、枕元に立って脅かそうとしたらしいが、まあ、この二人が気づかない。
なので、この妹に憑依していると言っていたが、それは声に出しているわけではないのでM子先輩には聞こえていない。
先輩に「お父さんの事は知らないって言ってたけど、お母さんからは何て聞いてました?」と言うと、「お母さんからは、ギャンブル、酒癖、女癖がすごく悪いと聞いてた。」と言うので、私が「真逆らしいですよ。」と言うと、「今になればそれは分かる。うちの母親はパチンコ行くし、酒も飲むし、タバコも吸うし。子供の頃はあんな男にだけは引っ掛かるなよ、と言われていた。」そうだ。
でも、私は妹には非が無いと思う。「死んで当たり前と言ったのは良くないけど、それは母親が言ったことを鵜呑みにしただけだから、あの世に引っ張って殺そうというのはお門違いだし、一旦落ち着いて、M子先輩の守護霊として戻ったらどうですか。」と言った。
しかし、怒りが頂点に達しているのか、かたくなに「いやだ。」と言ってきかない。
「なら、なんでこの子じゃなくてお母さんの方に憑かないの?」と言った。その方が仕返しするのも早いと思ったからだ。「母親は子供を失った時の悲しみが絶対に大きいというのがわかるから、味合わせてやりたい。」と言った。私は思わず「ほんと、くそに成り下がったね。この子に非が無いのにそれは絶対にダメ。」と強く言った。
私が「出ていけー」と叫ぶと、横で聞いていたM子先輩が「ほんとにお父さんなの?」と聞いてきた。
「ほんとにお父さんらしいよ。」と言うと、「ほんとにお父さんなら、そんないい方しないで欲しい。」と半分泣きながら訴えてきた。
それをお父さんが見て「M子、、」と絶句していた。
そして、ストンと妹から消えた。
すると妹は、「だれー?」と3歳児らしく舌っ足らずに言ってきた。「お姉ちゃんの友達。」と言うと、「ともだちぃー? じゃあ、あたちとも ともだちぃー?」と3歳児らしく言ってきた。
「君とはまだ違うけどね。」と言ったが、さっきまでの口調とは全く違うので、M子先輩も驚いていた。
「良かったね。じゃあ、あたし帰るね。」と言うと、「バイバーイ、またちてねー」と3歳児らしく手を振っていた。
帰ろうとすると、門のところにお父さんの霊がこちらを向いて立っていた。嫌な感じがしたので、「着いてくる?」と確認すると、頷いて私に憑いてきてしまった。
それから1-2カ月一緒に生活したが、それからM子先輩の元に戻っていった。
M子先輩とはその時からよく話すようになっていたので、「妹はどんな感じ?」と聞くと、普通に小生意気な3歳児になったそうだ。今度は親が、その変わりように驚いていたそうだ。
M子先輩はお母さんに「私に嘘ついてることがあるよね。」と聞いたそうだ。
「私のお父さんは、お母さんがそんな風だから、交通事故で死んだんでしょ。」と言うと、黙り込んだそうだ。
そしてお母さんが「なんで?」と聞いてきたので「お母さんが私を妊娠中にパチンコ屋に出入りしてたでしょ。」と言うと、「行ってないよ。」と否定して、今のお父さんも「どうしたんだ?」と言うそうだが、その時M子先輩は考えて、「私、お腹の中の時の記憶がある。」と言ったそうだ。
「お母さん、私が生まれるまで、ずっとパチンコ屋さんに居たし、タバコも吸ってた。」というと、お母さんは「産まれる前の記憶とかあるわけないよ。」と言ったそうだ。
「お父さんは、ずっと昼は工場、夜はコンビニで働いてくれて、その疲れで交通事故で死んだんでしょ。」と言うと、お母さんは黙ってしまったのだ。
お父さんも「ほんとに?借金は、旦那が作った借金を返してるって言ったよね。もしそうなら、私は前の旦那さんにすごくひどいことを言っていたことになる。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。」と言ったそうだ。
すると、M子先輩が持っていたコップに、ピンとひびが入り、初めてお父さんの霊の声が聞こえたそうだ。「もう、許すしかないね。」と言ったのだ。
私は、お父さんの心が穏やかになれて良かったと思った。

【おわり】