reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・帰れないおばあちゃん

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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その時、私は病院に入院していた。同じ部屋の隣のベッドに、おばあちゃんが入院していた。
ある日私がベランダでタバコを吸っていると、そのおばあちゃんが来て、タバコを一本分けてくれと言った。「自分で買おうよね。」と言いながら、分けてあげた。
すると、「私も死んだら、何か一個忘れるんでしょうね。」と言う。
「何か忘れるの?」と言うと、「うちのおじいさんが死んでから、一週間、ずっと夢枕に立って、何か一つ思い出せん、何か一つ思い出せん。と言い続けてね。」と言われた。
「だから、私も何か一つ忘れるんでしょうね。」と言う。
「えー、おばあちゃんどこの人?」と聞くと、「山森(仮名)町だよ。」「山森のどこ?」「銀林(仮名)。おじょうちゃんはどこ?」「私、川部(仮名)」などと話した。
「おじょうちゃんどこが悪いの?」「急性大腸炎急性胃炎で、あと一週間ちょっとかかる。」「あそう。でも、若いからいいねえ。」などと話したのだが、私が退院する前に亡くなってしまった。
夜中に看護師さんがバタバタしだして運ばれて行って、その後戻ってこなかった。
そのベッドには、次の患者さんが入院してきた。私の退院が決まったので、あのおばあちゃんは、と看護師さんに聞くと、亡くなったと言われたのだ。
私は退院の手続きをしながら親が迎えに来るのを待っていた。するとそのおばあちゃんが車椅子に乗って現れた。体も車椅子も透けていたので、うわっ と思った。小さな声で「おめでとう」と言われた。「ありがとう」と言うと、「思い出せんのよ」「ご主人と一緒で、何か一個忘れたの?」と言うと、「どうしても思い出せん、どうしても思い出せん。」「へー、病院にとどまっていても思い出せないかもしれないけど、おばあちゃん、がんばってね。」と言って、迎えに来た親と帰った。
数日後、私は別の原因で鼻血が止まらなくなり、夜中に病院に行った。治療を受けたのだが、またそのおばあちゃんが車椅子で現れた。病院から出られなくなっているんだと思った。相変わらず「思い出せん、思い出せん。」とつぶやいている。「何が思い出せないの?」と聞くと、「思い出せん、家が分からん。」と言う。私も銀林としか聞いていないので分からないなあと思っていると、「分からん、分からん」と言っていた。
治療が終わったので家に帰ったのだが、気になったので翌日また病院に行った。すると、おばあちゃんはまだいたので、「おばあちゃん、銀林に行こうか。」と言って連れだした。
駅まで行って、電車を乗り継ぎ、銀林駅まで行った。
「おばあちゃん、銀林に着いたよ。」と言うが、「分からん、分からん」と言って、それ以上進めない。仕方がないので、タクシーの運転手さんに、「最近、一カ月くらい前に亡くなったおばあちゃんの家に、お線香をあげに行きたいんですが、ご存じないですか?」と聞いてみた。「いやー、2-3軒あったもんなあ。Aさん、Bさん、Cさん。」と言われたが、私はおばあちゃんの名前を覚えていない。
「名前は分からないんですが、車椅子に乗ってましたけど。」と言うと、「じゃあ、多分、Cさんじゃないかな。」と言われた。なので、そこに乗せて行ってもらった。
玄関でチャイムを押すと、おばあちゃんの娘らしき中年女性が出てきて、「はーい、どちらさま?」と言われると、おばあちゃんが「ありがとう」と言って家に入っていった。私はあたふたしながら「あ、すみません、家間違えました。」と言って帰ってきた。
その日の夜、私の夢におばあちゃんが出てきて、「ありがとう、ありがとう、お礼はするから。」と言った。そしておじいちゃんも現れ、「うちのやつが世話になりました。お礼はさせるから。」と言うので、「いいです、いいです」と遠慮したが、起きてから何のお礼だろうと考えた。
次の日、電車で学校に向かっていると、知らないおばあちゃんが来て、「私、小銭入れ落としたんだけど、なかったかな?」と言ってきた。「見てないですけど。」と言うと、戻っていった。だが、帰りにその小銭入れを見つけた。おばあちゃんが話していた特徴だった。なので駅員さんに渡して帰った。
次の日、学校帰りにその駅まで来ると、交番のお巡りさんに呼び止められた。交番に行くとそのおばあちゃんがいた。
「見つけてくれたんでしょう?ありがとう。」と言われた。「よく私と分かったね。」と言うと、駅員さんが派手なギャルだと言っていたそうで、制服も同じだったので、お巡りさんがあの子だと分かったそうだ。「何かお礼させて。」と言われたが、「いいよ、いいよ」と断った。しかし、おばあさんが「これだけ持って帰って」と言って茶封筒を渡してきた。「じゃあ」と受け取ったが、中身を確認すると五千円が入っていた。こんなにいらないのにと思ったが、思い返してみると銀林まで電車で行ってタクシーを使ったので、あの時、四千数百円かかっていた。ああ、これがお礼かと思った。
何日か経って、またそのおばあさんにあった。「わたしのお姉さんと生前お話しされましたよね?」と言われた。聞くと、このおばあさんは亡くなったおばあさんの妹のようだった。
私が銀林のおばあちゃんちまで行ってチャイムを鳴らした後、対応した女性のご主人が、少し見える人だったようで、「おばあちゃんが帰ってきた。」と言っていたそうだ。なので、中年女性も「じゃあ、家を間違えたんじゃなくて、連れてきてくれたんだ。何かお礼をしないとね。」と言っていたそうだ。
その女性は、このおばあちゃんの姪になるわけで、そのあと財布を落としたそうだ。
見た目が派手なのを姪から聞いて、きっと私だと思ったのだろう。

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