reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・今何時?

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
-------------
子供のころ、田舎の我が家の玄関のそばには黒電話があった。
ある日夢の中で、その黒電話が鳴って、出てみると「今何時ですか?」と聞かれた。私が時間をこたえると、何も言わずに電話が切られた。
そこで電話が鳴る音が聞こえ、夢から覚めた。電話に出るため、玄関まで行くと、全く知らない人の声で「今何時?」と聞かれた。
夢と同じだったので、「怖っ」と思って何も言わずに電話を切った。
すぐに部屋の戻ったのだがそこで夢から覚めた。さっきの2回目の電話も夢だったのだ。
するとベッドの上で、また電話が鳴るのを聞いた。3回目だ。今度は怖くて出たくなかったが、家にいるのは私一人だし、誰から掛ってきているかもわからないので取りあえず出て黙って聞いた。すると、受話器の向こうから、「サー、サー」というノイズのような音がしていた。気味が悪くて電話を切ったが、また掛って来た。4回目だ。「もしもし」と言うと、声にならない声で苦しそうに何か言っている。「誰ー」と大きな声で聞くと、プツンと切れた。受話器を置くと、チンと小さく鳴った。黒電話は受話器を置くと時々こんな音がするのだ。
するとまた、プルルンと電話が鳴った。5回目だ。さすがに出たくなかったが、黒電話には留守番機能も無いので、相手が諦めるまで鳴り続ける。一向に鳴りやまないので仕方なく電話に出た。「××警察署の××です。」と言う。そして「今何時でしたっけ。」とまたも聞いてきた。「はあ?」と言うと「お父さんが交通事故にあって、今何時かって、ずっと聞いてます。」と言う。私は気が動転して「分からないです。」と答えた。電話機の横に時計もあったが、動転しながらもこれは言わない方が良いような気がして分からないと言った。
すると、お父さんは今、救急車で運ばれているところだそうだ。意識がはっきりしないのだが、娘の私に電話したとだけ言っていて、お母さんの連絡先などを聞いても答えないそうだ。なので、お母さんにそちらから連絡してくださいと言われ、取りあえず父が運ばれる病院に来るようにと言われた。田舎ではそこそこ大きな病院なのだが、お母さんは看護師としてそこに勤めていた。
連絡しなくても父が運ばれているのだからと思い、冷蔵庫におじいちゃんへのメモ書きを張り付けて家を出た。
自転車で40分ほどかかって着いたので、受付に行くと、お父さんは目の上が大きく裂けて舌も切っていて、縫合手術を行っているという。
命に別状はないからと言われ、今は会えないので待つようにと言われた。
するとお巡りさんが3人近づいてきて、「さっき電話に出てくれた子?」と言われ「はい」と答えた。「お父さんとは何を話したの?」と言われたが、話もしてないし、電話にも出ていない。
お父さんは、交差点で止まっていたら、養豚業のトラックが突っ込んできたそうだ。その運転手が救急車を呼んだそうだ。救急車で運ばれるとき、娘に電話して何時か聞いたとだけ話していたそうだ。でも私は話していない。
「お父さんから電話はあったよね。」と言われ、もしかして苦しそうな声で誰だかわからなかったのがお父さんかなと思った。
「お父さんは君としゃべったと言っているんだけど。」と言われた。
でも、時間を聞かれて答えたのは、夢の中の電話だけで、警察意外とは実際に話してはいない。
でも、周りの大人に何度も言われて、子供の私としては寝ぼけていて、最初から電話で話していたのかもしれないなあと思った。
すると縫合も終わり、お母さんがパタパタパタとやってきて、「あんた、お父さんに今何時か聞かれた?」と言う。
またまた言われたので、なんだか本当は話しているように思えてきた。
「本当は聞かれていたけど、私寝てたんで、寝ぼけていたのかもしれない。」と言った。
「それでお父さんには何時か言ったの?」と言うと、「仕事中でそれは言ってないけど、なんでそんなに時間を聞いてたんだろうね。」と不思議がっていた。
それからお父さんはしばらく入院することになり、家ではお父さんのいない生活が始まった。
私は毎日、電話がかかってくる夢を見ていた。夢の中で毎回時間を聞かれた。
初めの数日は、頭の中にあの話が引っ掛かっていて夢を見るんだと思ったが、さすがに1週間も続くと何かあるように思われ、怖くなった。
日曜に学校の友達とお父さんのお見舞いに行った。お父さんは元気に話せるようになっていたので、「ねえ、お父さん、あの時私に電話した?」と聞くと、「うーん、お父さんもわからんちゃん。」と答えた。
「お父さんも、トラックの運転手や警察官からも電話したと言ってたって聞くし、お母さんからもなんで時間を聞いたって言ってたのかって聞かれるけど、携帯を鞄に入れていて、掛けてないと思う。事故の時、トラックが突っ込んでくるのを見てもう死ぬわと思って車の時計を見ようとしたけど、見る前に突っ込んできたから見れてない。そこから意識が無いから夢の中で何時って聞いてたのかもしれない。」と言った。
なので私は、やっぱり初めの2回は夢だったんだと思った。でも、3回目の苦しい声は誰だったんだろうと思った。
1カ月ほどしてようやく退院してきて、大変だったね、と家族で話していると、おじいちゃんが「いきなりお前がいなくなってたからおじいちゃんはとっても心配した。警察に電話したら病院に来てると言われて、それで病院に来た。」と言った。私は「えー、冷蔵庫にメモを書いて貼ってたじゃん。」と言ったが、「そんなものはない。」と言う。「誰も見ていない。」と言われた。「いやいや、おじいちゃんに、お父さんが事故にあって病院に運ばれたから行くね、って書いて貼っといたのに。」と言うが、誰も見ていないそうだ。
私は、どこまでが夢で、どこからが本当なのかわからなくなり、キツネにつままれた気分だった。
お父さんは事故ですぐに意識がなくなったので、実際に電話を掛けることはしていないはずだ。でも、無意識の中で私に電話をしたのだろう。私はそれを夢の中で受け取ったのだと思う。でも、その後の警察からの電話は本当の話で、後で病院でも言われたから間違いない。だったらあのメモが無いと言うのはどうしたわけだろう。あのメモが夢の中の事なら、警察の電話も夢の中になるし。
私は今でも訳が分からないと思っている。

▲上のバナーは、グループのランキングのバナーです。
よければクリックしてやってください。