reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・井の頭公園

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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子供のころ、島ではみんな大きな貝を取るのに夢中だった。毎日朝早く海辺に行き、潜って貝を取り家に帰ってから朝ご飯を食べる。
5月のある朝、友達4人と潜ったら海の底に人の足が見えた。びっくりして岸に戻り友達に「人の足がある~」と叫んだ。
びっくりした友達が水面から覗くが、透明度は高いものの波もあるので分からない。
男の子が「よし、俺が潜ってみてくる。」と言って潜っていった。
戻ってくると、「何もなかったよ。」と言った。
でも私には、波でゆれてはいるが水面から見えている。ああ、これは霊的なものなんだと気づいた。
みんなには「見間違いだったかもしれん」と言って、知らないことにした。
その日、学校に行くと4人でその話でもちきりだった。
友達は、私が見えることを知っているのいるで、霊的なもなんじゃない、と言ってきた。
私は、「そうかもしれない」とはぐらかしていた。
でも気になったので帰りに海に行くとそれが無くなっていた。
家に帰って夕食時にその話をすると、家族からは「夕食時に気持ち悪い、そんな話はやめて」と言われたが、
おじいさんだけは「どんな足だった?」と聞いてたので、大人の足でごつかったし指も太かったので男の人だと思うと言った。
膝から下で片足だった。
おかあさんは、「明日は貝を取りに行くのは止めときなさい。」と言ったが、友達と約束しているので、
明日は行って、その後は行かないと言うことを話してくると答えた。
翌日いつものように、早朝に海に行ってまた潜っていると、場所は少しずれていたが、今度は右肩から先の腕があった。
よく見ると半透明で、やはり本当にその場所にあるわけではないのだと思った。
岸に戻って友達には明日から来ないことを告げた。
家に戻り朝ご飯を食べ始めたが、「今日はどうだった?」と聞くので、「明日から行かないとちゃんと言って来たよ。」と言った。
でも、また右腕を見たと言うと、おじいさんがどんなのか聞いてきたので、
「角張った筋肉質のしっかりした腕だった。昨日と同じ人かもしれんね。」と言った。
しかし、この辺で自殺した人の話は聞いていない。おじいさんも昔の話であっても自殺や死体の話など聞いたことは無いと言っていた。
なんだったのかなと家族で不思議がった。
その年の9月ごろ、警察が家にやってきて、近くの海辺でバラバラ殺人事件が起きているので行方不明の人など居ないかと確認に来た。
ニュースでも流れていた。50代男性の左足と右肩が海で見つかったそうだ。
おじいさんが、家の家族もいるし、この辺でいなくなった人など聞いていないと話していた。
私は忘れていたが、おかあさんに「今年、海で足と腕を見たって言ってたよね。」と言われて、潜って見たことを思い出した。
でも、遺体が見つかったのは今であって、数カ月も前なので関係ないはずと話した。
数日後、ニュースでは、バラバラ殺人があり、頭部は長崎、足と手は鹿児島で見つかった、などと流れていた。
私は頭など見ていないけど、怖いね と話していた。
学校でも友達とその話題になり、やはり5月ごろ見たと言う話をしていたよね、と言われた。
でも、顔もわからないし、時期も違うから関係ないよね。と話していた。
それから10年ほどたった時、観光で福岡のタワーに上って街を見下ろしていた時、競艇場にぼんやり女の人が見えた。
一目で幽霊だと分かったので、主人に「あそこに幽霊がいる。」と告げた。
主人は何も見えない普通の人なので、「やめろよ、気持ち悪いよ。」と拒絶していた。
でも、下半身と頭と肩が見えていた。
そこで子供の頃の話を思い出し、主人にも説明した。
それから1週間ほどすると、ニュースでその場所で女性のバラバラ殺人事件が起きたことを報じていた。
子供の時はよくわからなかったが、その時も子供の時も、私には事件が起こる前に結果が見えていたことになる。
主人は、そんなものが見えたら次から言えよ、と言っていた。
言ったとしても、聞いた人が信じてくれるかな、と思った。
それから数年後、家族とおじいさんとで東京に観光旅行に行った。
レンタカーを借り、浅草寺に行って線香の煙を浴びていたら、おじいさんが「弁天様の池を見に行く」と言い出した。
調べてみると、井の頭公園の事らしい。井の頭公園に行ってみると、ボートがあるのでおじいさんと息子はスワンボートに、主人は手漕ぎボートに乗りにいった。
私は娘とほとりのベンチに座っていたのだが、木陰から池を見ると、水面にバシャバシャと動く手が見えた。指が1本無かった。
気持ち悪いと思ったが、昔おぼれた人がいるのかなと思った。
別の方角を見たら、今度は足先が水面に見えた。かかとから先だった。気持ち悪かった。
しばらくするとみんなが戻って来たので、主人にその話をした。
すると主人は警察に言った方がいいんじゃないと言い出した。しかし、言っても信じてもらえるとも思えないし、色々聞かれて時間が掛かるのも面倒なのでそのまま旅行を続けた。
その夜は後楽園近くのホテルに泊まった。
夜寝ていると、夢を見た。私がスワンボートを漕いでいた。誰かが手漕ぎボートの上で黒いビニール袋に入ったものを捨てている姿を見た。
旅行が終わって一週間ほどすると、井の頭公園でバラバラ殺人事件が起きたと報道していた。
遺体の一部が入ったビニールには石も詰められていたらしいが、破けて浮き上がったのだろう。遺体は身元不明だそうだ。
心当たりのある人は警察に連絡するよう言っていた。
それを見た主人が、この前見たやつじゃないのか、と言ってきた。
主人が連絡先に電話をして、妻が少し霊能力があるのですが、池の中に足があるはず。と伝えた。
電話では軽くあしらわれたので、主人に「こんなもんだから、やっぱり言ってもしょうがないでしょ。」と文句を言った。
次の日、ニュースで「情報提供により捜索したところ、池の中から男性のかかとから上を発見した。」と報道していた。
情報提供と言うのは、私たちの事かと思った。
その後、主人のところに警察から連絡が入った。話を聞きたいので東京に来れますかと言われたが、遠いので無理と断った。
「たまたま家族旅行で行ってボートに乗ったりしただけで、関係ない。防犯カメラにも映っていると思う。」と説明した。
警察は防犯カメラを確認して明日また電話すると言われた。
翌日電話がかかってくると、家族の服装などを事細かに確認され、そうだと答えた。
解析により、私が池を見ていやな顔をした後、反対を見てまたいやな顔をしているのが確認できたそうだ。
話しが符合しているので警察も信じますと言った。さらに
「実は、うちの署にもちょっと見える人がいるのだけど、その人が情報提供のリストを見ていて、この足先が見えた話は本当かもしれないと言って、それで池の中を捜索した。」
と説明された。
「それ以外に何か見たものはありませんか?」と聞かれた。
「私はそこにあるものが見えるだけで、遺体の性別とかどこの人だとか、全然わかりません。」と言って電話を切った。
その後の話として、男女のもつれで起きた殺人だそうだが、私にも未来のことが見えることがあるのだと思った。