これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
-------------
ごく最近のこと、足を骨折して杖を使っている友人が、買い物に行きたいというので、
私の車に乗せてショッピングセンターに出掛けた。立派な障害状態なので警備員さんに言って
障害者用の駐車スペースを使わせてもらった。
友人は杖を使いながらショッピングセンターに入っていった。
私は車の中で待つことにした。すると1台の大きなワゴンタイプの車が隣の駐車スペースに入ってきた。
助手席からおばあさんが降りてきて、息子とおぼしき運転者の男性とショッピングセンターに入っていった。
少しするとその車からカタカタ音がするのに気づいた。中に子供が取り残されていたりするとまずいと思い、
中を覗こうとしたが、リアシートの窓はスモークフィルムが貼ってあるのか暗くて見えない。
前に回りフロントガラス越しに奥を見たが、何もなかった。
すると運転者の男性が戻ってきて、「何か？」と聞かれた。
音がするので気になって見たけど誰も乗ってないので、と説明すると煮え切れない様子だった。
自分の車に戻ったがしばらくするとまた音がした。隣の車を見るとリアシートの窓に中から手がべたっと張り付いていた。
霊的なものだと感じた。
外に出ると男性が、実は と話し出した。
この車は友人の紹介で、走行9000キロの車を10万という破格で買ったものなのだが、以前から色々と不思議なことが起こる。
夜中に盗難警報機が鳴ったり、クラクションが勝手に鳴ったりするという。
なので修理に出したのだが異常は見つからなかったそうだ。
ふたたびカタカタと音がしたが、持ち主は音には気づかない
私には霊が見えるのだが、リアの窓に手形が見えたと話した。
そんな話をしたら、前の持ち主に電話して、安い原因を聞いていた。
その人の話では、前の持ち主が夜勤帰り、朝方にうとうとしながら運転していて、新聞配達のおじさんを引きづる事故をおこしてしまったらしい。
パトカーに止められて、はじめて気づいたそうだ。
すると同乗のおばあちゃんが買い物から帰ってきたのだが、なんとその背中には、その被害者とおぼしきおじさんが乗っていたのだ。
私には、そのおじさんは、車に憑いているというより、そのおばあちゃんに憑いているように見えた。
車を購入した時に、一緒に着いてきておばあちゃんに憑いてしまったのだろう。
私はそのことを運転者の男性に説明した。
車を返品しなくてよくなったね、と心の中でつぶやいた。
