reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・私のやや

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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私が20代の頃、故郷へ帰るのに、途中で一泊することにした。
宿に入ると夜中に娘が熱を出した。おでこがかなり熱い。
その娘が、部屋の入口の襖を指さして「怖いが来る」と言う。
私もそちらを見ると、前髪をだらりと垂らした女性が立っていた。いかにもという雰囲気でとても怖い霊だと思った。
その女性が腕を前に出して、娘を指差しながら、「私のやや」と言った。
ややというのは赤ちゃんの事だから、私の赤ちゃんと言ったことになる。
えー、っと思って横に寝ていた主人を起こすのだが、一向に起きない。他の子も起きない。
だが、女性の霊は、指を差したまま「私のやや」と言いながら、部屋に入ってくる。
部屋中が生臭くなった。娘は「怖いが来る、怖いがいる。」と泣き止まない。
裸足なのに「ぺた、ぺた」と音をさせて近づいてくる。
主人も起きないので、私は娘を抱えて「私の子供だからー」と叫んだ。
しかし、変わらず近づいてくる。近づいて来るに従い、声もエコーがかかるように響いてきた。
娘は溜まらず「いやー」と叫んだ。すると、女性の霊が泣き出した。そしてふわっと消えた。
ようやくホッとして、落ち着くことができた。そして主人を起こし、説明したのだが「へー」っといった感じで、分かってくれない。
私は怖くて仕方ないので、チェックアウトまでかなり時間があったが、早々と宿を出た。
空港に行き、飛行機に乗って島に着いた。そのことをおじいに話すと、その宿がある近辺の土地では、戦争のため、赤ちゃんを手放さなければならなかった親が、たくさんいたそうだ。
なので、もしかしたら、昨日の女性はそういう方で、たまたま波長が合って、自分の娘と間違えたんじゃないか、と言うことだった。
子供を探している幽霊は多いかもしれないが、こっちとしては、たまったものじゃない。
私は、少なくともその宿には、今後絶対に泊まらないと思った。
大きくなった娘に、そのことを聞くと、なにやらうっすら覚えているらしい。
怖い女の人が「私がお母さんだよ、」と何度も言っていたそうだ。
私には「私のやや」と言っていたので、聞く人によって言葉が違っていたことになる。
そして、手を差し伸べてきたときに、「こっちへおいで」と言われて「いやー」と叫んだそうだ。
だが、見た目は前髪がだらりと垂らした女性だったことは同じだった。

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YouTubeにも「霊子さんの心霊体験」として投稿しています。
https://www.youtube.com/@kyoufutarou