心霊体験の話・カラオケルームの嘘つき

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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私が高校に入ってから、別の高校の子ともつながりが出来て、一緒に遊ぶようになった。
その他校の女子生徒の中に、幽霊が見えると公言しているＣ子が居た。
そのＣ子が、誰かから聞いたのであろうが、私に「あなた、幽霊が見えるんでしょ。」と言ってきた。
その時は、みんなで１０人以上がいたのだが、カラオケに行こうと言うことになった。
人数が多いので、パーティールームに入って歌っていた。
すると、マイクがハウリングしだした。それを見たＣ子が、「部屋の隅に女子高生の幽霊がいる。」と言い出した。
Ｎ子先輩が、私に向かって「ほんとにいるの？」と聞いてきたが、私には見えなかった。
だが、天井の隅に、お婆さんの顔だけは見えていた。
でも、女子高生は見えなかったので「見えない。」と答えたのだ。
Ｃ子は、「すごい強力な霊で、自殺した子かもしれない。」と言っていた。
ハウリングもしていたし、ズンと重い空気にもなっていたので、みんなも「怖いね、怖いね。」と言っていた。
Ｃ子は私に向かって「本当に幽霊を見たのでなければ、そういうことを言うもんじゃないよ。」ときつめに言ってきた。
でも、私はそのＣ子には直接見えるとか言っていないし、他の一緒に肝試しに行くメンバーは私のことが分かってはくれている。
しかし、私はもめ事が嫌いなので、穏便に「言わないようにするね。」とＣ子に答えた。
そうしているうちに、いつの間にか、天井に見えていたお婆ちゃんの姿が消えていて、ハウリングもしなくなった。
誰かが「消えたんじゃない？」と言うと、Ｃ子が「女子高生がいなくなったよ。」と言った。
誰かが「じゃあ、女子高生がハウリングとか起こしていたんだね。」と言った。
なので歌を続けていると、また空気がズンと重くなったのを感じた。
でも、Ｃ子はノリノリで歌っていた。
私は、「Ｃ子は、この空気を気付かないんだ。」と思った。
すると、壁の方からさっきのお婆ちゃんが、顔だけズンと出てきていた。
なのでまたマイクがハウリングしだしたのだが、それを聞いてＣ子が「また女子高生が出てきた。」と言った。
実際ハウリングもしだしたし、パチーンとか金属音も聞こえていたので、みんなが「やばいね。」と言ったりしている。
Ｎ先輩もＣ子も、「ほんとに女子高生の幽霊は見えないの？」と聞いてきたので「女子高生は見えない。」と答えたが、「女高生"は"ね。はいはい。女子高生じゃなくて何が見えるの？」と聞かれたので、天井の隅を指さして「お婆ちゃん」と言おうとしたら、そのお婆ちゃんは、Ｃ子のことをめちゃ睨んでいた。
「Ｃ子が睨まれてる。」と言うと、「誰に？」と聞いてくるので、「あそこにお婆ちゃんがいるよね。」と言ったのだが、「絶対いない。さっき嘘ついちゃだめって言ったじゃん。」と言われた。
私は、「あなたには女子高生が見えて、お婆ちゃんは見えないけど、私にはお婆ちゃんが見えて女子高生は見えないんだからそれでいいでしょ。」と言った。
私は争いたくなかったのだ。
すると、「私の家系は霊媒家族だから、あなたに見えて私に見えないものはない。」と言い出した。
なので、「ああ、ごめん。じゃあ、私は幻覚が見えてるだけだろうね。」と納めに掛かった。
そうしたら、「おまえが嘘つくな。」という得体のしれない声がルーム中に聞こえて、みんなも「キャー」と叫んだりした。
なのでＣ子が「ほら、言ったでしょ。」と私に向かって怒鳴った。他校グループのメンバーも口々に「ほら、謝ったがいいんじゃない。」などと言ってきた。
私はＣ子の苗字は知らなかったのだが、今度はフルネームを付けて「ＸＸＣ子、おまえが嘘つくな。」とルーム中に響いた。
なので全員が「怖ーい。ヤバい、ヤバい。早く出よう。」となって、切り上げて外に出た。
誰かが「フルネームで言われてたけど、大丈夫？」などと言っていた。
その日は解散したが、後日また一緒になった時、Ｃ子があの日の帰りに自転車で下り坂を降りていた時、誰かにぽんと押されたような気がして、蓋の外れた側溝にハマってしまい、左ひざの半月板を損傷する怪我をしたと聞いた。
他校の生徒に、「それって、あの声の主の霊障なのかな？」と聞かれたが、「そんなの分からない。その場にいたわけでもないしね。」と言った。
しかし、その後、Ｃ子が「人の気を引こうとして幽霊が見えるなんて嘘、絶対に言わない。」と言って、反省しているようだった。
その後しばらくして、Ｎ先輩から、それに関する話を聞いた。
あのカラオケボックスでは、地元の女子高生が、いじめを苦にして自殺したことがあったそうだ。
なので、Ｃ子はそれを調べてその話をしたんじゃないかと思った。
でも、その女子高生は、お婆ちゃんと二人暮らしだったそうで、孫が自殺したのでそれを気に病んで精神的におかしくなり、お婆ちゃんも焼身自殺をしたそうだ。その場所はカラオケルームではなかったのだろうが、お婆ちゃんが怒って出て来たんじゃないかな、と思った。