reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・ビッグマウス

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
-------------
高校3年生の時だった。
N子先輩の家で、集まって騒いでいた。N子先輩はすでに結婚していて、ご主人と一緒に住んでいた家だった。
そこにはご主人の友達もいた。
みんなで盛り上がって話していると、ご主人の職場の後輩のK君が、「実は自分は霊感がある。」と話し出した。
N子先輩など私のグループメンバーは私が霊感があるのを知っているので、その話を聞いても「ふーん」と言う感じであまり驚いてはいなかった。ご主人は、私のことを少しだけ聞いているようだった。
N子先輩の家は団地だったが、その前に、その団地の人が使う砂利の駐車場があった。
その駐車場の前に2台の自動販売機が設置されていて、街灯が立っていた。
K君が「実は、幽霊を見てね。」と話し出したのだが、夏だし、そういう怪談はみんなも聞きたいので、「どんな幽霊がいたの?」と聞かれていた。
駐車場の向かいに、昔コンビニだったと思われる閉鎖した店があるのだが、「そこにタンクトップの女がいる。」と言った。
「へー、怖いね。だれか見たことある?」と誰かが言ったが、誰も見たことはないようだった。
だが、私は以前見たことがある気がした。
でも、タンクトップではなく、すす汚れた白い服で、何もしてこない、ただ立っているだけの霊だった。
そんな霊は、そこらにいるので、私は何も気にしていなかった。
でも、K君がいると言うので、私はK君が本当に見える人なんだと思った。
その女の幽霊は、K君によく話しかけてくるそうだ。「この店のご主人は、どこに行ったんですか?」などと聞くそうだ。
でも知らないので、「わからん、わからん、しゃべり掛けてくるな。」と言ってたそうだ。
そんな話をしてたが、お酒も進むし時間も遅いのでみんなそのままN子先輩の家で寝てしまった。
翌朝早く、K君が、「うーん、うーん」とうなされているのに気付いた。
寝ぼけながらどうしたのかと見てみると、白い靄がK君の上に乗っかっている状態だった。
私は「金縛りにあってるんだ。」と思ったが、私はそういうのを見るのが好きだったので、ちょっと面白いと思って見ていた。
「うー、ごめんなさい。」と言っていて、誰かに謝っているようだった。
ちょっと嫌だなとは思ったが、早朝で眠かったのでまたうとうと寝てしまった。
9時ごろになって目が覚めると、K君は「昨日、めっちゃ怖い夢を見た。」と周りに話しているときだった。
「どんな夢だったの?」と聞かれて、「得体のしれない白い物体が俺の上に乗っかってくる夢だった。」と言った。
私は今朝それを見ていたので、「あー、現実だったんだ。面白い。」と思った。
それから季節が変わって少し寒くなってきたころ、N子先輩から連絡が来て「ちょっと今日うち来てくれる?」とのことだった。平日で、翌日も学校だったので、親に聞くと、明日休まないなら行っていいよと言われた。なので、制服や勉強道具を持って、N子先輩の家へ行った。
私が「どうかしたんですか?」と言うと、神妙な面持ちで「K君がさ、バイクで事故ってさ、1ヶ月くらい前なんだけど、仲間とツーリング行ってたら、帰りに首をくっと絞められた気がして、転倒して、首が折れるまではなかったけど、後遺症が残って今はリハビリしている状態なんだ。」と言われた。
私が「どこで転倒したんですか?」と聞くと、「すぐそこ。駐車場の前。自動販売機があるところ。もしかしたら、タンクトップの女の幽霊に呼ばれたんじゃない。」と言われた。
ご主人が言うには、K君が「やめてー」とか「ごめんなさい。」とか、口癖のように言っているので、のり移られているんじゃないかと心配で、霊感がある私に見てほしいそうだ。
私が「K君は今、入院中なんでしょ?」と言うと、「退院していてリハビリ中なんだけど、もう少ししたらうちに来るよ。」と言われた。
すると、K君の弟さんが、肩を支えた状態でやってきた。
手は普通に動くようだが、立とうとするとふらつく感じだった。私が「大丈夫ですか?」と聞くと、「うーん」とはっきりしない。
まあいいや と思って、N子先輩が用意した夕食をみんなで食べはじめた。
すると、ガチャンと扉が開く音がした。見るとK君が「ごめんなさい、ごめんなさい。」と震えながら言っている。
玄関が開く音はしたけど誰も入ってこないので、幽霊が来たのかも と思った。
すると「ペタ、ペタ、ペタ」とゆっくりした足音がして、「ほんとに幽霊だ。」と思った。
そして、N子先輩が飼っている2匹の犬が、「ワンワン、キャンキャン」と吠えだした。
見ると、玄関から入ってくる所に掛けてある長めの暖簾の下から、足だけがこちらを向いて立っているのが見えた。
めっちゃ怖いと思ったら、K君が「見えるんやろ、ねえ、見えるんだよね。」と言ってきた。
「うん、ちょっと見えるかも。」と言ったら、どんどん体が熱くなってきて、痛いくらいで、臭い匂いもしてきた。
私はヤバいと思って、その霊は焼身自殺でもしたんじゃないかと思った。
「もしかして自販機のところの人ですか?」とK君に聞くと、「そうだと思う。」と答えた。
すると、その幽霊は一瞬で目の前に移動してきて、やはりすす汚れた服で、髪はボサボサで、顔も黒くすす汚れていた。
一瞬のことだったので、私は言葉が出ず、N子先輩も「なになに?」と戸惑っている。
私が「多分、ここにいる。」と言うと、今度はすっと私の横に来て座った。
そして「あなたは私が見えるわね。」と確認してきた。
私は目の前のことでつい「はい。」と言ってしまった。
すると、「あなたは、私のことが見えているけど、私のことを馬鹿にしなかった。」と言った。
私が「何も知らないのに、馬鹿にしようがない。」と思うと、その幽霊は、K君を指さして「この男は、私のことをみんなに言って回った。」と言った。
私も夏に話を聞いていたのだが、「悪気があったわけではないと思います。」と言うと、「私はコンビニになるよりも前にここで死んだ。自分でガソリンまいて自分で火をつけて、小屋が全焼した。」と言う。
どうも、その後にコンビニが建つときにお祓いなど何もしなかったので、トイレに幽霊が出るなんて噂になってすぐに潰れたらしい。
「ここに住んでいるのは誰だとか、私は聞いたことがない。この男は、私のことを面白おかしく大きくして言って回ったから罰だ。」と言われた。
K君を見ると、鼻水垂らして泣きながら「ごめんなさい。」と言っていた。
私は「だったら、私が言っても気が収まらないかもしれないけど、私がK君に強く言っとくから、もう止めていただけませんか?友達でもなく、ただ、先輩のご主人の後輩というだけで、親しくもないし、助けてあげようという気もないけど、面白おかしく言われたあなたの気持ちの方が辛いと思うから、伝えておきます。」と言うと、すごくぎょろぎょろした目で私を見て、「あなただったら許せたのに」と言って消えていった。
K君は、確かに多少の霊感はあるらしいのだが、信ぴょう性があるように、過去の事件を調べて、それを元に色々話を作ってしゃべるのが好きだったらしい。そうすると、みんなの反応がいいからだろう。
その後、私は先輩夫婦の前で、K君に「過去にあったことを調べて自分でストーリーを作って面白おかしく話を大きくしてしゃべったんだよね。そんなことをするから、彼女の気分を害してこんなことになったんだよ。二度と言わないようにしてください。」と言った。K君は、私にも、「ごめんなさい、ごめんなさい。もう言わない。」と怯えながら約束した。
何年かたって、リハビリがうまく行ったのだろう、普通に生活できるようになっていた。「良かったですね。」と言ったが、それからまた何年かたって、たまたま、N子先輩の家で会った時、「お久しぶりですね。」と挨拶したが、帰りに私の前を通った時、黒い靄がついていて、「K君、あの癖、治ってないよね。事前に下調べして、話を大きくして幽霊の話をする癖。」と言ったら、「え、なんで」と言うので、「後ろに黒い靄がついていて、2-30といわない数の顔が見える。このままだとあの世に引きずり込まれるよ。」と言った。
K君は「もう言わないようにする。」と言って去って行ったが、その後、会わないし、話も聞かないので、その後K君がどうなったかはわからない。

▲上のバナーは、グループのランキングのバナーです。
よければクリックしてやってください。

www.youtube.com