reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・モノマネ幽霊の山女(やまんじょ)

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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私が小学校3-4年くらいの頃、どこにでもある野池のひとつ、その野池の近くでおじいちゃんが畑をしていた。
びわの木も植わっていた。それを収穫に行くことになったので、私も手伝いに行った。
野池が近いので、おじいちゃんには、「池に近づいては絶対だめだ。」と言われていた。
私はいい子だったので、言い付けはちゃんと守っていた。
おじいちゃんが収穫を始めたが、前日に食べたものが当たったのか、お腹をこわして下痢になった。
おじいちゃんは、「トイレしてくる」と言ったが、自宅までは遠いので、その辺の茂みに向かっていった。
私はビワの木の近くで待っていたが、お腹こわしているせいか、なかなか戻ってこなかった。
でも、茂みの方から「おるからねー」と時々声を掛けてくれた。おじいちゃんが見えないから不安にならないように声を掛けてくれていたのだ。
そのたびに「うーん」と返事をしていた。
すると、なぜか反対方向の池の方からも「いるからねー」とおじいちゃんの声が聞こえてきた。
私は、「え、おじいちゃん、こっちいたよね。」と訳が分からなかった。
また池の方から「いるからねー」と聞こえたので「うーん」と返事した。すると、今度は茂みの方から「ん、どうした?」と聞こえてきた。
「え、なんもなーい」と返事すると、今度は池の方から「どしたー」と聞いてきた。
私は訳が分からないし、気持ち悪くなってきたので、茂みの方に向かっていった。すると気づいたおじいちゃんが「どうしたんか?」と言った。
私は「野池の方から、おじいちゃんの声で、おじいちゃんとおんなじことを言う人がいる。」と説明した。
するとおじいちゃんは「聞こえたんかー」と慌てて言ってきたので、「うん」と言うと、おじいちゃんはそのままズボンを上げて私の腕を掴んで、「帰るぞー」と言って走って引っ張って行った。収穫中のびわのカゴもそのままだった。
家に着いてから、「何だったの?」と聞くと、「あんなもの、返事したらつまらん。」と言った。返事してはいけなかったらしい。「わかった。」と答えた。
「次からは、畑に行っても、おまえはなんて聞かれても絶対に返事はするな。」ときつく言われた。
数日後、おじいちゃんと畑に行ったが、「絶対に返事するなよ。」とまた言われた。
私は、おじいちゃんがお腹痛くならなければ離れないから大丈夫、と思っていた。
しかし、畑でまたおじいちゃんのお腹が痛くなったので、「絶対に返事するなよ。おじいちゃんは声かけないから。」と言われて茂みに行ってしまった。
すると、また池の方から「おーい、大丈夫かー」と声がしたが、私は完全に無視していた。
「聞こえてるんかー」と言ってきたが無視し続けていたので、「こらー、聞こえてるんかー」とまた言ってきたので、私も不安になって、茂みの方へ行くと、おじいちゃんが「なんか?」と言うので、やっぱりおじいちゃんじゃなかった、と思って返事しなくてよかった、と思った。
「めっちゃ、呼ばれるんだけど。」と言うと、「返事したんか?」と言うので、「してない。」と言うと、「ならいい。」と言われた。
戻ると、今度はお姉ちゃんの声で「どこにいるー?」と聞こえてきた。「は、お姉ちゃんが来た」と思ったので、おじいちゃんに「お姉ちゃんが来たかも。」と言うと、「来てない。」と言われた。「でも、、、」と言うと、「お前は山女(やまんじょ)に気に入られてるから、しゃべるな。」と言われた。「わかった。」と返事したが、お姉ちゃんの声は、ずっと私の名前を呼んでいる。
「どこにいるー、迎えに来てー」などと聞こえているが、おじいちゃんは「無視せい、無視せい」と繰り返す。
ビワをちぎり終えて家に帰ると、「山女ってなに?」と聞いてみた。
「沼地にいる妖怪のたぐいで、気に入られるとその子をずっと呼ぶ。付いて行った子はいないので、付いて行くとどうなるかはわからないが、返事をすると、沼地を離れても島を出てもずっと呼ばれる。」そうだ。
私はその時は、引っ越すとは思っていなかったが、その後引っ越して島を出ることになった。
新しい実家で生活をはじめ、友達も出来て、周りに遊びに行くようになった時、近くにある瓢箪池に魚が居るので釣りに行こうということになった。
友達と釣りに出かけると、その池で「おーい、なにしてるんだー」とおじいちゃんの声が聞こえてきた。
おじいちゃんは島にいるのだから、これはおかしい。
え、っと思って周りを見るが、友達は気づいていないようで、私は「これは山女だ。」と思った。
私は怖くなって友達に「用事を思い出した。」と言って帰った。
慌てて家からおじいちゃんに電話して「山女がこっちにも出た。」と言うと「ほら、返事したから呼ばれたんだ。」と言われた。
おじいちゃんは、「そっちへ行ってると思った。」と言う。「なんで?」と言うと、「お前が行ってから、あの野池が枯れた。」と言う。
いままで枯れたことのなかった野池が枯れたと聞いて、びっくりした。
しかし、こっちで声を聞いても、怖いような感じはしていなかった。可哀そうな感じも、きもい感じもしなかった。
なので悪い好奇心が出て、返事してみようかな、と思ってしまった。
次の機会に釣りをしていると、またおじいちゃんの声で「おーい、大丈夫かー」と聞こえた。私は「大丈夫だよー」と答えた。
「そうかそうか」と返事が来たが、それだけだった。
その後も、瓢箪池に行っても、「おーい、大丈夫かー」「大丈夫だよー」「そうかそうか」と、それだけだった。
しばらくすると私は違う遊びに目覚めてしまい、釣りに行くことがなくなった。
すると、瓢箪池が枯れたという話を同級生から聞いた。
私は「え、じゃあ、山女はどこにいるんだろう。」と思い、おじいちゃんに電話した。「瓢箪池枯れた。」と言うと、「こっちの野池が復活した。」と言われた。「おまえ、返事しただろう。」と言われた。「連れ去られなかっただけ、良かった、って思えよ。」と言われた。
「連れ去られた人がいたって話、聞いたことないんでしょ。」と言うと、「連れ去るって。」「そうなの?でも、全然怖いような感じしなかった。」と言うと、「そりゃそうだ。おなえがまだ子供だからな。」と言って電話がプツッと切れた。
その後掛けたが、電話は出なかった。
プツッと切れて、その後つながらないので心配していた。夜になるまで何度か掛けたが、夜になってようやく電話に出た。
「昼間、どうしたの?」と言うと、「何が?」とわからない様子。
「だから、瓢箪池が枯れたって言ったでしょ。」「なんで?」とわからない様子。
「野池が復活したんでしょ?」「ああ、したした。」と言う。
「昼電話で話したじゃん。」と言うと、「そんなことはない。今日は朝から老人会の集まりで、昼間はいなかった。さっき帰って来たのに。」と言われた。
私は、昼間話した相手は、山女だったんだ、と思い、背中がぞっとした。

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