reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・女郎屋【その4】

【つづき】心霊体験の話・女郎屋【その3】 - reikonoburogu霊子の日記

お店が終わり、看板の電気も消して、片づけが終わり、女の子たちも帰っていった。私は彼氏さんが買ってきたお寿司を食べていた。
すると、何かささやく小さな声がした。なにやら「またあの人来たのよ。」「いっつもあんなことして・・・」などと聞こえるが、意味は分からなかった。すると、ドアの方から「バン」と大きな音がした。見るとドアは開いているわけではなかった。誰もいないが、二人の女性が手を前に出して、何かを避けるような仕草をした。そして着物の女性が一瞬後ろに下がったと思ったら、着物がばーっと赤く染まっていき、襦袢の女性は何かに髪の毛を捉まれたように、外に引きづられていった。すぐに着物の女性も消えてしまった。
後になって色々聞いて回ると、向いの小料理屋はやはり昔の女郎屋で、おばさんの店は女性の休憩所だったらしい。その女郎屋で、お客さんが狂ってしまい、女性を7人、刃物で切り付けて殺した事件があったそうだ。
着物が赤く染まったのはその時の血だったのかもしれない。
私が見ていたのは、女郎屋が繁盛していたころの様子だったのかと思った。
数年後、そのおばさんも高齢になったので、店を閉めることになり、片付けのお手伝いに行った。食器やグラスを片付けていると、いつも襦袢の女性が、初めてきちんと着物を着て現れた。髪の毛も綺麗に結い上げている。
「もうお帰りになるの?」と私に聞いてきた。
「はい。」と答えると、「ちょっとお時間あるかしら。」と言う。
周りのみんなは片付けの仕事をしているので、「ちょっと今は。」と答えた。
「じゃあ、折を見て話そうか。」「はい。」と言った。
片付けが進み、業者さんも来て、荷物がすべて運び出された。
おばさんのおごりで美味しい焼き肉屋に行くことになった。
その後、家に帰ったが、「折を見て話そう」と言われたのを忘れていた。
お風呂に入っていると、その女性がふわっと入ってきて、お湯の中に手を入れて、「かわいい女の子ね。」と言った。私は妊娠していたのだが、まだ性別はわかっていなかった。「女の子なんだ。」と思った。
「私、女郎屋で働いていてね、私、死んだのよ。でも、あの間男に殺されたわけでもないし、病気でもなくて、自分で命を絶ったのよ。」私は「へえー」としか答えられなかった。
その間男は、女性たちを刺して回った後、自分でのどを切って死んだそうだ。でも、目の前の惨劇に耐えられず、この女性も、その男の刃物で、自分でのどを切って、その場で死んだそうだ。
「あなた、いつから見えたの?」と聞かれたので、「おばさんの家で、あなたが横切ったのが最初です。」
と答えた。「そう。私はそろそろ行かなきゃいけないけど、元気な女の子を生んでね。」
「はい。」と言ったら、旦那さんから「おい、」と起こされた。私は浴槽の中で、目の下まで水に浸かって寝ていたようだ。「おまえ、二度も溺れるなよ。」と言われた。子供の頃溺れたことも知っているのだ。
私は「女の子らしいよ。」と答えた。「いや、まだ分からんだろう。」と言われた。
それから数年、おばさんが亡くなった後、家を売ることになった。なので、着物や家具など欲しいものはもらっていいと言われ、家に行った。そこで襦袢の女性の霊を思い出し、お風呂場の前に行った。何も見えなかったが、「あのときはありがとう。無事に女の子が生まれましたよ。」と言った。
すると、「あら、おめでとう。」という声が聞こえた。
「あ、まだ居るんですね。」と言うと、「そう、憑いてるの、あなたの後ろに。」と言われた。
片付けの時、「折を見て」と言ったあとずっと長い間、私に憑いてたらしい。
その女性の霊は、今でも私に憑いている。私の守護霊の一人だと思っている。

【おわり】

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