reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・大雨の幽霊

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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高校生の時、災害級の大雨で、線路が一部冠水し、最寄り駅まで帰れないことがあった。
仕方ないので一個前の駅まで行って、そこで降りたが、駅から家まで遠いのでどうしようかロータリーで悩んでいた。タクシーでもワンメーターなので乗れないことは無いが、高校生にとって数百円は大きかった。
悩んでいるうちにタクシーが無くなってしまい、他にはお迎え待ちらしい人だけになっていた。
土砂降りなので歩けばずぶ濡れになるのは間違いない。タクシー会社に電話してみたが、30分以上はかかると言われた。そうこうしているうちに私一人だけになったのだが、横に影の薄い感じの女の人がスーっと現れた。ぱっと見るとその人は体が半透明で透けて見える。霊だと思って知らん顔していたが、私の横にずーっと立っている。嫌な感じがした。
するとタクシー会社から電話が来て、近くに降車した車があるのでまだ待っているなら向かわせますがとの事だった。もちろんお願いして、もう少しと思い屋根の下でそのまま待った。
2-3分するとタクシーが来て、こちらに気づいて目の前まで来てくれた。
すると女の霊がすーっと近づいてきて、消え入るような小声で「T八幡宮まで乗ります。」と言ったのが聞こえた。T八幡宮は通り道だ。
めんどくさ、と思ったが、「いいよ、わかった。でも私に着いてこないでね。」と言った。
私がタクシーに乗り込んで、リアシートの左側に座ったら、女の霊は「はあっ」という顔をしたので、奥側にずれて席を開けてやった。女の霊がすーっと座ってきて、「私が見えるんですか?」と言った。
私は運転手さんの手前、無視して黙っていた。行き先を言って車が走り出した。T八幡宮の前は、押しボタン式の信号機があるのだが、大雨で歩いている人もいない。それなのに、赤信号になって車が止まった。運転手さんは「だれか嫌がらせしてる。こんな雨なのに赤なんて。」と言ったが、女の霊は小さな声で「ありがとうございました。お礼はします。」と言って、ドアをすり抜けて出て行った。
タクシーが家まで着くと、運転手さんが「あれ、メーター押したはずなのに、回っていない。」と奇声を上げた。メーターが動き出したのを見ていた私も「うそー」と言ったが、運転手さんは「あらー、今日は付いてない。まあ、忙しかったからいいや。お嬢ちゃんの分はいらないよ。」と言った。
お礼と言うのは、このことかと思った。
翌日、大雨の水もまだ残っていたが、雨は小降りになっていたので犬の散歩に出た。ついでなのでT八幡宮にも行って、タクシー代無料のお礼を言おうと思った。
八幡宮は、片側に無縁仏の墓があって怖いので、反対側に回ったが、そこから無縁仏の方を見たらその女の霊が見えた。なので少し大きな声で「昨日はタクシー代ありがとうございました。」と言った。
私は向きを変え、家に向かったが前のカーブミラーに、後ろから付いてくる女の霊が写っていた。
私は「それは違う。」と思い、「付いてこないで。」と言った。私は振り向かず歩き、そのまま家まで帰ることが出来た。
また次の日、学校へ行くのに駅から電車に乗りシートに腰掛けると、なにやら冷っとして、気づくと女の霊が私に半分重なるようにシートに座っていた。「ひょっとして昨日からずっと憑いてる?」と思った。授業が終わり帰りの電車でも、やはり半分重なってシートに座っている。私はとても小さな声で、手前のI駅で降りてと何度も言った。しかし、I駅を過ぎてもそのまま座っていた。仕方なく最寄り駅で降りたがやはり付いてきている。そのまま歩き、T八幡宮の前まで来ると、「ありがとう」と小声で言って消えていった。何がありがとうなのか分からなかったが、家まで来なくて良かったと思った。
季節が変わって、ニュースで殺人事件の報道を見た。少し離れた隣町の山の中で女性の遺体が見つかったそうだ。
特に気にしていなかったのだが、画面を見ると、明らかにあの女の人だった。
それで気になって、T八幡宮に行ってみると、初老の夫婦がお位牌を持って立っていた。するとまた女の霊がふわっと現れ、「ありがとう」と力のない声で言った。「なにが?」と聞くと、「殺されて家への帰り道が分からなくなっていた。あなたに付いて行けば帰れると思い、家の墓があるT八幡宮まで連れて行ってもらったの。」と言った。「そう、帰れてよかったね。でも、なぜあの大雨の日に駅に居たの?」と聞いた。すると、隣町の市役所に勤めていたが、あの大雨の日に用事で出たとき暴漢魔に殺された。帰ろうと思い駅まで行ったが、そこから帰り方が分からなくなった。私の事は近所なので見たことがあり、付いて行けば帰れると思ったらしい。家がT八幡宮の近くだったようだ。

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