reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・地蔵切り

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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高校の頃、通っていた学校への通学路に、お地蔵様が立っていた。
今はもうコインパーキングになっているのだが、地蔵切り という名前だった。
そのお地蔵様はかなり昔から立っているようで、転がっているざらざらの石をいくつか組み合わせたような、雑なお地蔵様だった。祠に入っており、怖い感じがしていた。
そこの前を歩いていた時、急に雨がザーッと降りだした。お地蔵様の祠に入れば雨はしのげるが、そこまで度胸が無かったので、走って通り過ぎようとした。すると、「シャキン、シャキン、シャキン、シャキン」と音がしだした。驚いて振り返ると、見た目がボロボロで髪の長いおばあさんがお地蔵様の祠の柱に片手でしがみついている。さらにもう一方の腕は、めちゃくちゃ長い爪を出して振り回している。それを見て、大きな声で叫びながら逃げた。
数日後、バイト先へ向かうのにタクシーに乗ったとき、顔見知りの運転手さんだったので、聞いてみた。
「あそこの地蔵切りのお地蔵さんなんですけど、なんで地蔵切りっていう名前なんですかね。」
「詳しい由来は知らないけど、あそこは怖いっていう人多いよね。」
「なんかあるんですか?」
「だいぶ昔に、自分の旦那さんを略奪された女の人がいて、相手に子供が出来たんだけど、それが頭にきて、包丁で切り刻んで殺したそうだ。なので、罰としてさらし首の処刑を受けたそうだ。そしてその女の人の母親も常軌を逸して亡くなったそうだ。それがつらくて父親がその地蔵を建てたと聞いたことがある。」
「へー、そうなんだ。地蔵切りだもんね。」と返事した。
「あの場所では、女の人の甲高い薄気味悪い笑い声が聞こえたり、泣き声が聞こえたり、するという話は聞くね。」
「いやだ、私毎日あそこの前を通るのに。」
「まあ、あなたには関係ないから大丈夫だよ。」
数日後、そこの前を通ると、また「シャキン、シャキン」と音がする。知らんぷりをしていたが、ずっと続いて終わらない。なので振り返ってみると今度は両腕を振り回している。なんだか怖くてそのまま帰った。
また数日後、知り合いのタクシー運転手に乗車したら、「そういえば、あの地蔵さんの新しい話を聞いたよ。」と言ってきた。
「なんなんですか?」と聞くと、
「すごい見た目のお婆さんが、その地蔵さんを切り刻んでいたって。」
「え、それ誰情報なんですか?」
「いや、わからん、仲間の運転手が、居酒屋帰りのおっさんが話してたって言ってた。ベテラン運転手にも聞いたら、この前話したあの話は本当らしい。だから子供が憎くてお地蔵様を今でも切り刻んでいるみたいだ。」とのことだった。
その後、私が高校を卒業する前にはその場所はコインパーキングになったのだが、ちょうどお地蔵様が立っていた場所は、ポールが埋め込まれていて、使用禁止になっている。

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