reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・海水浴場の足

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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私の子供がまだ小さいころに、一泊で家族旅行に行った。
夏休みに遠浅の海水浴場が近い旅館に連れて行った。
その海水浴場には、海の家も少し出ていて、私はレンタルパラソルを借りて砂浜で横になっていた。
子供たちは主人と海に入って遊んでいた。
すると、次女がペタペタペタと走ってきて、「めちゃくちゃたくさん人が居るね。」と言ってきた。
それほど混んでいるわけでもないのだが、子供の目線には多いように見えるのだろうと思い、「すごいね。」と返した。
「海の中にめちゃくちゃたくさん足がある。」という。「足?」と、私には意味が分からなかった。
「うん、みんな足がある。」と言う。
今度は長女がやってきて、「ママ、ここ怖い。」と言う。「足が沢山あるの?」と聞いてみると、「うん!」と言う。
そう言われると、私も気になって、「海の家でご飯食べるから、上がっておいで。」と言ってみんなを上がらせた。
ご飯を食べながら、子供同士で「何人くらい居るんだろうね。足。」などと言っている。
私が「どんな足?」と聞くと、「うーん、人の足。みんな裸足なの。」と言う。気になって午後は私も海に入った。
膝くらいまでの深さしか行っていないが、私には何も見えない。私には危険があるようには思えなかった。
しかし、子供は「ほらほら、足が泳いでる。」と何度も言う。
しばらく遊んだ後、旅館に戻ろうと言って、海水浴場を後にした。
旅館の入り口には海水浴客向けに足洗い場もあるので、足を洗ってタオルで拭いて中に入った。
主人と子供は先に部屋に戻って行き、私は夕食の時間などを確認するのにロビーで話した。
入り口には赤いカーペットが引かれているのだが、沢山の濡れた足跡があるのに気付いた。
子供たちは拭いてあげたし、主人は自分で拭いていたはずだ。
拭いたはずなのに、よく見ると、足跡は大人のものだった。
しかし、主人はサンダルを履いていたので、裸足の足跡がつくはずもない。
気になったが部屋に戻った。
食事の時間を伝え、先にお風呂に行こうと皆で大浴場に行った。早めの時間だったので、ほぼ貸し切り状態だった。
洗っていると、男湯の方から息子の声で、「ママ、ママ、足が沢山ある。」と言う声が聞こえた。
「もう、やめてー。そんなこと言っちゃだめ。」と私も大きな声で返した。
私たちも体を洗い終わって浴槽に入ったら、次女がバシャバシャと暴れる。
「何してるの?」と言うと、「足、足、足」と浴槽の中を指さしている。
しかし、お湯は薬湯のようで透明ではなく、足なんて見えないはずだ。
「ないでしょ。」と私が言うと、長女も「あっちもこっちも足がある。」と言ってきた。
私には見えないが、息子も娘も同じことを言うので、「もう上がろう。」と言って、慌てて外に出た。
この旅館は部屋食ではなく、食事会場に行く。食事の時間になったので、食事会場に行って、食事を始めた。
隣のテーブルにも子供連れの家族が居て、その子供が「海って足が沢山あるんだね。」と言っている。
子供にしか見えない足が居るのか?と疑問に思いながらも、子供同士は「ねー。居たよねー。」と頷きあっている。
私は親同士、何んとも困った顔をしていた。
その後、部屋で寝ていると、息子が「ぎゃー」と叫んだ。他の部屋に迷惑になるくらいの大きな声だった。
体が硬直したように見えたので、息子の顔を叩きながら「起きなさい。」と言って起こした。
すると、「怖かったー」と言うので、「どうしたの?」と聞くと、「お尻を蹴られた。」と言う。
見ると、お尻が少し赤くなっていた。
すると、あちこちの部屋からも、子供が大声で泣くのが聞こえた。
主人が「おまえ、何か見えるか?」と聞いてきたが、海水浴場にも、お風呂にも、この部屋にも、私にはなにも見えなかった。
「おまえに見えないなら、何なんだろう?」と不思議がっていた。
息子はしばらく寝なかったので、ずっとあやしていた。
朝になり、食事会場に朝食に行くと、他のお母さんたちもぐったりした表情をしていた。
チャックアウトの時、宿の人に、「もしかして海水浴場で海難事故とか有りましたか?」と聞いてみた。
「いやー、ないんですよ。そういういわくがあるような海水浴場でもないし、この旅館が建ってからは、溺れた人はいたけど、命に別状はなくて死亡事故なんかは無いんですけどね。」と言われた。
「でも、何年か前から、子供が、足、足、って言うんですよ。」と女将さんも困った顔をしていた。
「ほんとに無いんですよ。ただですね、その昔、このあたりで戦があって、海の向こう側の岸壁から、死人を海に落としてた。潮の流れによっては、この浜に打ち上げられていた、そんな時代もあったそうです。」と言った。
私たちは、2日目も泳ぐ予定だったが、子供たちも怖がっていたので、帰り道の大型ショッピングセンターに寄って帰ることにした。
数年後、テレビを見ていると、芸能人が心霊ロケでその場所に行っていた。
有名な霊能力者も同行していた。
あ、私たちが行った海水浴場だ、と思った。
この場所では、足が目撃されると言っていた。霊能力者によると、崖から突き落とされた農民の足だそうだ。
芸能人が記念に撮影した何枚もの写真の中に、一枚だけ、沢山のローブが写っていたものがあったそうだ。
番組終わりに、帰りにロケバスに出演者が乗るときに、「昔は、この場所に旅館があった。」と言っていた。
私たちが泊まった旅館だと思ったが、今は無くなっていた。
足が見えるということでお客さんが激減して、海の家もなく、子供だけでは遊んではいけないという海岸になっていた。
その霊能力者は、「子供たちの元気な力を分けて欲しいと、死んだ農民の念が、渦巻いている。」と言っていた。
私は、背筋が寒くなった。

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このお話は、youtubeにも投稿してあります。

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