reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・大連の観光スポット

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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私は中国の歴史が好きだ。
中国への2回目の旅行で、大連に行きたくて、A子とS子の3人で行った。
空港から、私が行きたかった観光スポット西門慶に行くのに、電車とバスを乗り継いで、ずいぶん時間がかかった。
史書で読んでいたので、私が美化しすぎていて、実際に見るととても古くて汚かった。
入館料を支払い、正妻の部屋、正妻の庭、第二夫人、第三夫人、第四夫人、第五夫人、第六夫人と見て回った。
食堂やメイドの部屋なども見て回った。
この建物は古く、当時からの建物と言うことで、
旦那様の寵愛を受けるためには、競争相手を殺しもするような時代だ。
正妻さんの部屋は、古くて高そうだが、すでにボロボロの調度品が並んでいた。
観光客向けにタブレットで説明が表示され、日本語もあった。
ここは正妻さんの部屋だと説明されていた。
だが、私には血の匂いが強烈にした。
庭には歴史書に出て来た梅の老木がそのままあったが、その太い枝には、人の手がぶら下がっているのが見えた。
その正妻は、気位が高く、けなされると豚小屋に突き落とすような強い女性だった。
第二夫人の部屋に行くと、強烈な匂いはしなかった。少しかびくさい程度。
やはりきれいな調度品があったが、庭に行くと草ぼうぼうだがしっかりツツジが植わっている。
第二夫人はツツジが好きだったと書かれていた。
ここでは霊的なものは何も見えなかった。
第三夫人の部屋に行くと女性の低い声でお経のような声が聞こえる。
この人は、表立ってひどいことはしないが、裏では呪術などで呪い殺すような人だったそうだ。
庭に行くと朽ちてはいるが藤棚があり、松の木に絡んでいる。
第四夫人の部屋に行くと、一番位が低い人だったが、顔がきれいで見初められ、夫人になったそうだ。だからなのか、部屋は質素で少し狭かった。
庭は花壇のような作りで、あまり手が込んでいる感じではなかった。
第五夫人の部屋は、私が一番好きな人だ。まあ、きれいで庭も牡丹が咲き乱れたような庭だった。
この部屋も、霊的なものは何もなかった。
第六夫人の部屋に行くと、気持ちが悪いことに、産み落としたばかりであろう赤子の遺体が、たくさん転がっていて、しかも動いているのが見えた。
この人は、お部屋付きの人が、この家を乗っ取るために来た人で、いろんな人と付き合わせて妊娠させ、ご主人様の子供ですと言わせていたそうだ。
壺に人の髪の毛がうわっと掛かっているのが見えたりした。
この人の部屋は、チョウシュンカが咲いている部屋だそうだが、そこにはボロボロになった女性の死体が何体も転がっているのが見えた。
私は、こういうおどろおどろしいのは見たくなかった。私が美化しすぎていたせいもあるが、ものすごくテンションが下がってしまった。
ホテルに戻ると、テンションが下がっている私を見て、A子とS子が、「せっかく来たんだから、楽しもう。」と言って慰めてくれた。
でも、食べに出る気分でもなかったので、ホテルに食事をオーダーした。
ホテルはそこそこいいホテルだったので、ルームサービスの女性も古いチャイナドレスのような服を着て運んでくれた。
ビールも注いでくれるのだが、元気のない私を見て、しっかり中国語で「元気出せよ。」などと言っていた。
すると、今日行った建物のパンフレットを出していたので、それを見て、「ああ、西門慶に行ってきた?」と言う。
それでこんなに落ちこんでいるんだと思われたのかもしれない。
その女性が片言で「チョットマッテ」と言って部屋の外に出て行った。
戻ると、かなり日本語ができる別の給仕さんを連れてきた。
すると、その給仕さんが、西門慶にまつわる話を色々聞かせてくれた。
そして「あそこは、夜行くべきだ。私の仕事が夜10時に終わるから、その後、連れて行ってあげよう。」と言う。
でも、入館時間は18時までだったから、「入れないでしょう?」と言うと、「大丈夫。」と言う。
警察沙汰にはなりたくないと思ったが、心霊好きの心が頭をもたげてきて、それなら行って見ようということになった。
時間になり、給仕係の女性が、旦那さんや同僚を連れてきて、総勢5人で車2台でやってきた。
私たち3人も乗り込んで行って、西門慶に到着した。
すると、入り口にロープがしてあるだけで、確かにいくらでも入れる状態だった。
「どうやって回った?」と聞かれたので、「第一夫人の部屋から順に回った。」と言うと、「違うんだよ。第六夫人の部屋から回るんだよ。そうすると何かが起きるんだ。」と言う。
行って見ると、部屋の中にぽわんと火の玉のような光が見えた。
「あれが、第六夫人の幽霊だよ。」と言われた。
「え、ほんとに?」というと、「夜になると、霊が戻ってくる。日中はどこかで寝ているらしい。」と言われた。
確かに、日中は聞こえなかった声が、あちらこちらで聞こえた。
チョウシュンカのところまで来ると、遺体はそのままあるのだが、お盆を持って足早に歩く人が見えた。「これ、ヤラセ?」と聞くと、「何処まで見える?」と聞かれた。「部屋付きみたいなのが走ってる。」と言うと、「じゃあ、本物だよ。」と言われた。
第五夫人の部屋に行くと、想像より倍ほどデカイ女性が、暗闇で手鏡を持っているのが見えた。
私は「はあー?」と驚き、まるでファンタジーだと思った。
最後の第一夫人の部屋まで行くと、第一夫人と思われる女性が、梅の老木を見上げていた。
給仕の人が、「あの人が見えるんだったら、絶対に目を合わせたらだめだ。」と言った。
「過去何回か、連れてきた人が居たが、憑りつかれて大変だった。」そうだ。
「わかりました。」と言って、そこを抜けた。
建物を出ると、「どうだった?」と聞かれたが、「ほんとうに凄かった。ありがとう。」と答えた。
ホテルに戻ると、「チャーミーカンホエ という言葉が聞こえても、絶対に返事してはいけない。」と言われるので、「なんで?」と聞くと、「もし、誰かに憑いてきていたら、連れ戻しに来るから。」と言われた。
給仕さんたちが帰って、すぐに寝たのだが、10分ほどしたとき、「トントントン」とドアをノックするような音が聞こえた。
給仕の人のいたずらかなとも思ったが、酔っていたので寝ていた。
A子とS子は、寝ずに飲んでいたので、私が「いたずらされてるよ。」と言うと、「え、何?」と聞こえていないようだった。
「ノックの音、聞こえない?」と言うと、「聞こえない。」という。「テレビ消そうか?」と言うので、霊がノックしているのなら、反応してはいけないと思い、「そのままにしといて」と言った。だが、まだ音が聞こえている。
A子は、どこに行っても連れて帰る人なので、やはり連れて来たのかと思った。それから1時間以上、音は鳴り続けた。
今度は小さな声が聞こえた。なんと言ってるか分からないが、「カミナミホエ」と聞こえる。だんだん近づいてくる。すると、めちゃくちゃきれいな服を着た半透明の女性が、部屋の中を歩いているのが見えた。反応してはいけないので、そーっと見ると、私のベッドの周りを歩いている。
とても怖くなった。しかし、いつの間にか寝込んでいた。
目が覚めると、朝になっていた。「良かった。何も起こらなかった。」と思った。
朝食はルームサービスになっているので、運ばれてきたが、昨日の給仕さんではなかった。
観光に出かけるため、フロントに向かうとき、昨日の給仕さんと出会った。
「昨日、来ましたよ。」と言うと、「返事しなかった?」と言うので、「しませんでした。でも、カミナミホエと言ってた。」と説明した。
すると、「ほんとに何も言ってないよね。」と真剣に言われた。「それは、ご主人様お戻りください。という意味だから。」と言う。
昨日見た部屋付きの女の人が迎えに来たのかもしれないと思った。
「今日はどこへ行くの?」というので、「牡丹の苗木とか見たいので、市場へ行ってきます。」と言った。
冬で、天気も悪く雪がかなり降っていたので、かなり早く、15時ごろ帰って来た。
買ってきた食べ物を出して、部屋で飲むことにした。しばらくすると、また「トントントン」と音がした。
A子を見ると「何?」と聞こえていないようだった。また「トントントン」と聞こえたので今度はS子を見たがやはり聞こえていない。
夜でもないのに。と思ったが、もうだいぶ暗くはなっているな。と思った。
外まで来ているのだとしたら、お酒が無くなって買いに出るとき、ドアを開けて居たら怖いのでどうしようと思った。
「そうだ、フロントに買ってきてもらおう。」と思い、館内電話を掛けたが、「そんなサービスはしていません。」と言われた。
どうしようと思ったが、まだ2缶あるので、ゆっくり飲もうと思った矢先に、A子が、ぐびぐびと飲んで、あと1缶になった。
なので、一番大丈夫そうなA子に「ビール買ってきて。」と言った。その瞬間、「カミナミホエ」とすぐそばで聞こえた。「ああ、部屋の中まで来てしまった。」と思った。
外に出た方がいいと思い、二人に「買いに行くよ。」と言ったが、S子が「めんどくさい。」と言う。が、引っ張って出ようとしたとき、部屋の中に小さな女の子が「カミナミホエ」と言っているのが見えた。
あわててフロントまで行き、日本語のできる給仕さんを呼んでもらうと、「部屋の中に来てる。」と言った。
「ああ、この時間ならもう居るかもね。どうしたらいい?」と言う。聞きたいのはこっちなのだが。
ビールなどを買ったが、どうしようと思っていると、給仕さんが売店で、お土産用なのだろうけれど、小さなひょうたんのような入れ物にお酒が入っていて、「金封」と書かれたものを買ってきてくれた。
これを持っておけと言う。「わかった」と言うと、「例え目の前に近づいてきても、見えるそぶりは絶対してはダメ。」と言われた。
部屋に戻ると、やはりいる。ぐるぐる回っているが、とりあえず座った。すると、夕食のルームサービスが届いた。
私たちは座って飲んでいると、配膳の男性が部屋を出るとき、その霊も付いていき、部屋を出て行った。
「良かったー」と思い、安心して飲み食いして、酔いつぶれるように寝た。
翌朝、北京へ移動するため、チェックアウトするとき、給仕さんに「おかげで何もなかった。ありがとう。」と言ってホテルを出た。
北京を観光して、日本に帰った後、その話をお土産話としていろんな人に話した。
2-3ヶ月経って、A子が、「昨日さ、部屋のドアが3回ノックされてさ、霊子がさ、大連で言ってたじゃん、3回ノックされたって。」
と言う。「それで?」と言うと、「意味の分からない言葉、言ってたでしょ、あれがずっと聞こえてた。」と言う。
私はA子が嘘ついていると思った。担がれてると。でも、「うそじゃなーい」と言う。
それから何日かすると、S子からも同じことを言ってきた。信じられなかったが、「ガチだから。」と言う。
でも、私には、帰国後、何もなかった。
だが、暗くなって子供を連れて自分のアパートに帰って、駐車場から3階の部屋を見上げた時、1階の廊下の電気がバチバチっと点滅し、続いて2階の電気がバチバチっと点滅し、その後3階も点滅した。すると、旦那から携帯に電話が来て、「そういうのやめて。マジで嫌だから。」と言う。
「はあ?」と言うと「あのさ、ノックしないで、入ってきて。俺今飯作ってるから出れないし。」と言う。
どうも、ノックの音が聞こえたようだ。「私たちまだ駐車場だけど。」と言うと、「え、じゃあ、客か。」と言った。
「え、ちょっと待って。駐車場から見てるけど、ドアの前、誰もいないよ。」「いあ、でもコンコンコンといって、あけて、って聞こえたよ。」と言う。私は、カミナミホエ が あけて と聞こえてるんだと思った。
「絶対あけちゃダメ。」と言って、車のダッシュボードに入れていた金封のひょうたんを取り出して、子供を抱えて3階にダッシュした。
ひょうたんを前に出し、「これをどうしてやろうか。」と言いながらドアに近づくと、「ギャー」という断末魔のような声が聞こえて消えていった。
私は、今回もA子が連れて帰ってきていたんだと思った。

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