reikonoburogu霊子の日記

あなたは霊の存在を信じますか?

心霊体験の話・土手の下

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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南の島で育った私は、子供の頃、よく台風が来ていた。
台風の翌日には、たいてい学校が休みになり地域の人たちと近所の荒れた道路や水路などの掃除をするのが決まりだった。
片づけをしていると道路に長靴が片方落ちてた。
火ばさみでゴミ袋に入れると「あいたたた」と声がした。でも、周りにはそれらしい人はいない。
作業を続けているとパンパンになったゴミ袋から何回も「あいたたた」と声が聞こえた。
ゴミ袋から何かが出てきて「もじゃっ」となった気がした。
ゴミ袋を覗き込んだが何も姿が無い。私は気分が悪くなった。周りの人に体調不良になったと言い、テントで休んだ。
休んでいると睡魔が来て うとうとし、夢を見た。
夢の中で、台風の中、腰の曲がった長い髪のおじいちゃんがその靴を履いていた。
腰を曲げて歩いてたがその先で土手から転げ落ちた。
ふっと起きて気になったので周りのボランティアに声をかけた。その土手の下に誰かいるのではないですか、と。
草ぼうぼうの土手下の小さな水路を長い棒でつついたら、固いところがあった。
よく見るとおじいちゃんがいて、かろうじて生きていた。
でも草は濡れているし、土はぬかるんでいたので引き上げられない。みんなで集まって引き上げるのに30分ほどかかった。
座りこんだおじいちゃんの体を洗って、前に立つと、「ありがとね」って言われた。
「夢を伝えてくれてありがとう。」と。
そのおじいさんは、お宮の元宮司さんで、それなりに不思議な力があるから、白昼夢を見せたらしい。
「あいたたた」は土手の下から発したその時の生の声だったようだ。