これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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数年前のお盆休みに高校時代の友達と、家で飲み会をすることになった。
岡山の子がいたので５人がそろうことが珍しかった。
みんな結婚してるので、子供を連れて集まった。
午前中から飲んだり、子供を遊ばせたりして過ごしていた。
すると、うちの子が玄関を気にしているのに気づいた。
息子が「誰か来た？ピンポンなった？」と聞いてきた。玄関の鍵は閉めていたのだが。
玄関が騒がしい気がしたようだ。でも誰もいないし、インターホンも鳴ってはいなかった。
昼過ぎになってお布団引いて子供を寝かせた。だが、息子は寝付けないようだった。
ふっと玄関を向いて、「だれ？」という。
誰かいるかもしれないと思い、見てくるねと言って玄関をチェックした。でも鍵も締まっているし、誰もいない。
すると、Ａ子が怖い体験を話し出した。
最近岡山で買ったマンションで、中学生くらいの女の子の声が話しかけてくるというのだ。
姿を見てはいないが、後ろで「ねえ」と声がした気がするそうだ。
時間が経ち、子供が起きだしたので、皆で写真を取り出しだした。
子供が入った写真を撮った後、大人だけの写真を撮った時、Ａ子の後ろに男の顔が写っていた。
しかも、そこに写ったＡ子の指が異様に長かった。
一人の子はぶれて写っていた。体操ずわりしている横向きの姿が写っていた。
なんだか気持ち悪いのですぐに削除した。
娘が撮らない方が良いよと言った。
他の写真も確認したが、不気味な男の顔も、ぶれた子供も写ってはいなかった。
みんなが帰った後、片づけしていると、誰も操作していないのにお風呂の湯沸かしリモコンが鳴った。
誰も操作していないのにと思いながら、ダイニング側のリモコンの停止を押した。
少しすると、今度は流しのお湯の出が悪くなった。お風呂でたくさん使うと流しの出が悪くなるのでお風呂リモコンで通話するが、誰もいない。
お風呂を見に行ったらお湯が出た跡があった。
その時、私の後ろを誰かが通った。でも振り向いても誰もいなかった。
怖いので、リビングに子どもを集めた。
お風呂も一人で入るのが怖かったので、娘二人と私の3人で一緒に入った。息子はその後でシャワーだけ浴びたが、怖いと言うので、扉の外に居てあげた。
リビングに戻ると、いつも見る心霊番組の時間だった。子供たちは嫌がったが、私はこの番組が好きなので、テレビをつけて見だした。
すると、カタカタと音が聞こえた。音は何度か繰り返してなかなか終わらなかった。娘がテレビを見るのやめようと言った。
電気を付けた。誰も触っていないのに、ピコと音がしてまたお風呂で給湯が始まった。
通話ボタンを押したが、誰かいるような音はしない。いい加減頭にきて「勝手にお湯を使うな」と怒鳴ったら、リモコンに停止の表示が出た。
今日は怖いので皆んなとリビングで寝た。だけどなかなか眠れない。
しばらくすると、家で飼っている４匹の犬が４匹とも扉を見て「うー」と威嚇しだした。
なだめるように「おいで」と言ったが、その後大きな声で吠えだした。
私も声を大きくして「いいからおいで」と呼んだ。
犬を抱きながら私もソファーに横になったら、二階の方から「キー パタン」とドアを開閉する音が何度か続けてした。
電気をつけて、リビングのドアを開けたら、犬たちは一斉に階段を駆け上がり、次女の部屋のドアの前で吠え出した。
このドアは押して開けるので、普段から犬が自分で開けることがある。なので一番大きな犬が自分でドアを開けて、他の犬と一緒に部屋の中へなだれ込んだ。
すると、部屋の中から黒い煙のようなものが１体出てきて、廊下に流れて行くと犬がそれを追いかけた。
でも、息子には黒い煙も見えないようだった。
部屋の中では他の犬が守るように娘の膝に乗った。
私が「いい加減にして」とまた怒鳴った。
リビングに戻ると、一番大きな犬がお風呂場に行った。大きな声で吠えて戻ると、リモコンから解除の音声がした。
他の犬もおとなしくなった。
あまりにひどいので、翌朝になって知り合いの霊媒師に見に来てほしいと連絡すると、昼前に来てくれた。
玄関を開けるとすぐに、「居るね」と言われた。
写真も見せた。改めて見ていると、集合写真には、自分たちの子供でない顔が有るのに気付いた。
霊媒師の人に、「この写真は消さないで」と言われた。
そして、和室に行くと霊と話し始めた。「君ダメ」などと言いながら霊を出そうと説得しているようだった。
すると、「昨日のパーティに来た人の中に、遠い子居る？」と聞かれた。
「岡山の子がいる。」と答えると、「その子に連絡できる？」と言われた。
Ａ子は、まだ近くの実家にいたので、連絡したら来てくれた。
霊媒師の人が「マンション買った？」と聞いてきた。
Ａ子が「最近買いました。」と答えると、
「そこ良くないね。その部屋ではないが、真上の部屋で亡くなっている。その人は自分が死んだことに気づいていない。」と言われた。
波長が合うのでＡ子に付いてきたそうだ。
付いてきてこの家で私の娘に移ったらしい。
お湯が出たり、リモコンが鳴ったり、テレビが点いたり。色々するのは、他にも霊が１３人ほど集まっているからだと言われた。
死にたくなかったから意地悪しているそうだ。
霊媒師の人は、Ａ子からそのマンションの鍵を受け取ると、その鍵で除霊すると言い出した。
すると、みるみる霊が怒りだしたのがわかった。食器棚が鳴り出し、息子が 「あ、われる」と言うと、
娘の部屋から 「パーン」と音が聞こえた。
「動かないで。」と言われじっとしていた。
すると、「ねえ」「ねえ」と語りかけるような声が繰り返し聞こえた。
犬がクーンと鳴き、少し震えてビビりだした。
犬を抱くと、勝手に出っぱなしになっていた水が止まった。少し安心したが、今度は家が「びびびび」と鳴り出した。
テーブルの上に霊媒師が点けていた２本のろうそくが消えた。
どうやら霊はおとなしくなったようだ。さっきまでピカピカだった鍵が、全体に黒くなっていた。こすっても取れなかった。
霊媒師が「このカギに全霊が付いている。」と言って手に持った。
Ａ子は、まだ数日田舎にいるとのことだったので、霊媒師がＡ子が帰るまで預かる事になった。
大きな音はしなくなったが、まだ気配はある。
霊媒師の人が「気にせず触らず、そのうち出ていくから。」と説明してくれ、鍵を持って帰っていった。
Ａ子が岡山に帰る前、霊媒師の人がもう一度来てくれて、鍵を返してくれた。その鍵はきれいになっていた。
Ａ子が帰った後、集合写真を見直すとゆがんでいた顔が普通に戻っていた。
岡山のマンションは、帰るとまた霊が付くと言われたので、その部屋にはもう入らず、そのまま売り払い、別の賃貸に移ったそうだ。
