心霊体験の話・恐怖!雨傘の女

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。
昔から霊が見えるという霊子です。
本当かどうかは私にはわかりません。
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高校のころ、電車通学だった。
最寄り駅までは、バスか自転車なのだが、徒歩で50分なので、いい運動になると思い、よく歩いていた。
途中に踏切があり、そこには、赤いワンピースで長い黒髪で裸足の女性の幽霊が、天気に関係なくいつも赤い傘をさして立っていた。
傘を深めにさしているので、顔は見えていなかった。
でも、人通りも多いし、車も多く走っているので、気づかないふりをしておけば、特に問題は無かった。
冬休みも近いころ、半日授業で早く帰っていた。その踏切で、保育園のお散歩の時間と重なった。
通っているとかわいい子供が「こんにちは」と挨拶してくるので、返事しながら歩いていた。
そのうちの一人が、その女性に向かって「寒くないの?裸足だよ。」と言った。
私は、「あ、見えてるんだ。」と思った。
すると、その女性は傘を上にあげた。顔が見えると思った。すると、「見るな!」と男性の声が聞こえた。
恐らく私の守護霊だと思う。
はっとして、下を向いて通り過ぎるとき、保育士の先生が「何言ってるの?誰もいないよ。」と言っていた。
私はそのまま帰って、夕方バイトのため姉の車で送ってもらい家を出た。
その踏切に通りかかると、いつものように女性がいた。
バイトが終わる時間になると、雪が降りだしていた。姉に連絡したが、迎えには来れないと言われた。
夜だし、雪も降っているので、仕方なくタクシーで帰ることにした。
タクシーでその踏切に差し掛かるとき、運転手さんに、「この踏切って、幽霊いますか?」と聞いてみた。
「え、なんで?」「いやー、昼間、保育園児が変なこと言ってて。」と、私が見えるとは言わずに、園児の話をした。
「いやー、知らんなー」との返事だった。
その夜、寝ていると、体に違和感を覚えた。
金縛りにあっているわけではないのだが、体が身震いして、怖くてビビっている感じだった。
すると、ベッドの横の窓の外に、尋常じゃない震えあがるような怖さの気配を感じた。
金縛りではないにもかかわらず、怖さで体が動かないのだ。
やばい、怖い、ヤバい、と思っていたら、ふっとその気配が消えた。
でも、まだ心臓はバクバクしている。姿を見たわけではないが、その気配から、踏切の女に間違いないと思った。
翌朝、母に駅まで送ってもらっていると、その踏切に女の幽霊の姿は無かった。
えー、と思ったが、怖さもあったので、お寺に相談してみた。
今まで見えていた幽霊が居なくなっていた、と話すと、
「霊子ちゃんが見えているということに気づいて、移動しているんじゃないかな。
会わないようにしてね。」と言われた。
しかし、その後は何もなく、結婚して、子供も生まれた。
するとある日、次女がベランダから下を見て、「あの人、晴れなのに傘さしてる。」と指差した。
「えー、日傘じゃないの?」と思いながら私もそちらを見てみると、すっかり忘れていた、その女だった。
やば、と思って「言っちゃだめ」と次女に言いながら隠れた。
それからまた数年がたち、新築の家に移り、今に至るのだが、もしその女性の幽霊が私を探しているのなら、ヤバい。と思った。
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YouTubeにも「霊子さんの心霊体験」として投稿しています。
https://www.youtube.com/@kyoufutarou